OrbisNet Sigma 電子基準点データによる解析方法

■必要なデータ

1.移動局データ(RAWフォルダ)

  .ubx ファイル(u-bloxなどのGNSS受信機の生データ)

2.電子基準点データ(BASEフォルダ)

  .obs ファイル(観測データ)
  .nav ファイル(航法データ、または .26n など)

電子基準点データのダウンロード

  国土地理院のサイトから:https://terras.gsi.go.jp/  にアクセス
  観測日時と最寄りの電子基準点を選択
  RINEX形式でダウンロード
  解凍すると .obs (例:0837053g.26oフォルダ内など)と .nav(例:0837053g.26Nフォルダ内など)ファイルが得られる
  (注)実際は .obs とか、 .nav という拡張子ではなく、.26o や 26n などになっている

電子基準点の座標値:https://terras.gsi.go.jp/pos_main.php にアクセス
  例えば、姶良電子基準点は
  31.824057963
  130.59959832
  314.66763836

■アプリでの設定手順

1.フォルダ構成
  作業フォルダ/
  ├── RAW/
  │   ├── point1.ubx
  │   ├── point2.ubx
  │   └── point3.ubx
  └── BASE/
     ├── 3940293a.obs (電子基準点の観測データ ← .26oから変更)
     └── 3940293a.26n (航法データ)

2.アプリでの操作

(1)rnx2rtkp設定 をクリック
  基準局タイプ で「固定基準点(電子基準点)」を選択
  基準点座標 に電子基準点の座標を入力(緯度・経度・楕円体高)
  Base OBS に電子基準点のRINEXファイル(.obs)を選択 ← ダウンロード解凍した(.26o ファイル)を(.obs)に変更して(.26N フォルダ)に入れておく
  設定を保存

(2)データ品質フィルタ(チェック、デフォルトのまま)

(3)RAWフォルダ選択 → 移動局のUBXファイルがあるフォルダ←3セッションまで入力可

(4)BASEフォルダ選択 → 電子基準点のRINEXファイル(.obs/.26nなど)があるフォルダ

(5)解析実行 をクリック

■rnx2rtkp設定のポイント

基準局設定:
  BaseStationType: Fixed(固定基準点)
  BasePosType: LLH(緯度・経度・高さ)
  基準点座標: 電子基準点の正確な座標を入力

測位モード:
  PosMode: static または kinematic
  周波数: L1+L2(デュアル周波数推奨)
  ARモード: fix-and-hold

■VRSとの違い

     項目VRS(RTCM)電子基準点(RINEX)
    データ形式.rtcm.obs + .nav
    フォルダ RAWフォルダ内別のBASEフォルダ
    基準局タイプBaseRtcmFixed
    座標入力不要(自動)必要(手動入力)
    基線長短い(〜数km)長い(〜数十km)

メリット
  精度が高い: 電子基準点は高精度な座標値が公開されている
  長基線対応: 10〜30kmの基線でも解析可能
  データ品質: 国が管理する高品質なデータ

注意点
  観測時刻を合わせる: 移動局と電子基準点のデータは同じ時刻に観測されたものを使用
  基線長: 長すぎると(>30km)精度が低下
  電離層補正: 長基線ではL1+L2のデュアル周波数が必須
  座標系: 電子基準点の座標は世界測地系(JGD2011/ITRF)

■よくあるエラーと対処法

エラー: BASEフォルダに .obs がありません”
  → ファイル拡張子を (.26o)から (obs) に変更してください

エラー: NAV がありません
  → (.24n) ファイルを (.26n)または (.nav) に変更してください

Fix率が低い(50%以下)
  → 基線長を確認(30km以上だと厳しい)
  → 観測時間を延長(最低15分以上推奨)
  → 周波数設定をL1+L2に変更