【新たな挑戦 ― OrbisNetSigma PPPの開発へ】
これまで開発を続けてきたGNSS測量ソフトウェア「OrbisNetSigma」。
RTK、スタティック測量、基線解析、三次元網平均と、一つずつ機能を積み上げてきました。
そして今、新たな目標に挑戦します。
それは、日本国内だけでなく、世界の観測データを解析できる「OrbisNet Sigma PPP」を実現することです。
PPP(精密単独測位)は、近くに既知座標の基準局を設置することなく、GNSS観測データと精密衛星軌道・時計情報などを利用して高精度な測位を目指す技術です。
日本のCLASやMADOCAによるリアルタイム補強に依存せず、海外で取得した観測データも解析できるソフトウェアを目指します。
まずは、実際の観測データを使い、解析の成立性、収束状況、測位精度を検証します。
そして、その先に見据えているのが PPP-AR(整数アンビギュイティ決定を用いたPPP) です。
海外でも利用されているこの技術に取り組み、収束時間の短縮と測位精度の向上を目指したいと考えています。
もちろん、実現には検証すべき課題が数多くあります。しかし、一つずつ試験を重ね、結果を確認しながら前に進みます。
AIの力も借りながら、自分自身の研究と開発を積み重ねてきました。
日本で開発したソフトウェアを、世界のGNSS研究者にも使ってもらえるものにしたい。
これが、次の目標です。
これからも、一歩ずつ挑戦を続けます。
「年齢は引退の理由ではなく、次の研究テーマを始める年齢だ!」
なんてっちゃってアイド~ル~~~(^^♪
【2026/11/8 追記】
PPPの基本ソフトができました。
電子基準点の1日分のRINEXを使って解析した結果です。
これは使えるかも、と思っています。
方向 平均 範囲(1日の中)
東西(E) +8 mm +6 〜 +10 mm
南北(N) −22 mm −24 〜 −20 mm
高さ(U) +10 mm +4 〜 +13 mm
水平 23 mm 最大25 mm
南北が2cmほど南にずれているのは、受信機アンテナのPCV(いまはSCITドームで代用)や、座標系の細かな差が残っているためと思われます。
今後の目標です。
世界中のGNSS観測データから、高精度な座標を求める独立した測位解析システムを開発する。
【01】国際PPPの実証
X20Pで記録したRAWXを含むUBXデータを使い、RINEX変換から精密軌道・時計データによるPPPスタティック解析まで、一連の処理を独立して構築します。
【02】解析結果の科学的検証
まず約3時間の観測データを使い、収束時間、座標の安定性、既知座標との差、衛星系ごとの影響を調べます。可能なら6時間のデータとも比較します。
【03】PPP-ARへの挑戦
PPPの基礎を確認した後、必要な位相バイアス等の補正情報、整数アンビギュイティ決定、収束時間と精度の改善を研究します。
【04】海外データによる検証
日本国内のデータだけで終わらせず、海外の観測データでも解析を実施し、地域や観測条件が変わっても利用できるか評価します。


