OrbisNet Sigma スタティック測量の質問と回答

【質問】
図のようなケース(1,2が未知点、301,302が既知点、AセッションとBセッションでそれぞれ基線を観測し、1-2基線が両セッションに重複して含まれる形)は、OrbisNet Sigma で網平均可能ですか?

【回答】
可能です。OrbisNet Sigma の現在のアーキテクチャでそのまま扱える構成になっています。

【理由】
・基線解析はセッション単位で独立
基線解析はペアワイズの単偏差(2周波受信機間)で行われるため、Aセッション(301-1, 301-2, 1-2)とBセッション(1-302, 2-302, 1-2)はそれぞれ別個に解析されます。

・網平均は解析済み基線ベクトルの集合を入力とする
Static最小二乗法は、どのセッションで得られたかに関わらず、基線ベクトル一式をグラフ化し、既知点(301, 302)を固定、未知点(1, 2)を未知数として平均計算します。従って、AセッションとBセッションの基線を混在させて1回の網平均にかけることは問題なく可能です。

・図の構成は環閉合・冗長観測の典型例
1-2間の基線がAセッションとBセッションの両方に含まれる(図の二重線)ため、これは同一基線の重複観測となり、網平均における冗長度(自由度)を持たせる典型的なネットワーク構成です。環閉合差のチェックにも適した形です。

【注意点】
重複基線1-2を入力するときは、どちらも1→2のように方向を同じにしてください。
実際の観測データが無いので、ご質問の網平均が可能かどうかプログラムを調べてみましたが、逆方向に入力すると、Aセッションの1-2基線だけが採用され、Bセッションの2-1基線が投入されない可能性があります。
つまり「2セッション分の冗長観測」のはずが実質1本分しか効かず、図で意図している「AB両セッションの1-2基線による冗長性(環閉合チェック相当)」が失われる状態になりそうです。
次期バージョンで改良します。

TKY2JGD 座標変換 CGI (Perl)を公開

日本測地系は、2001年の測量法改正前まで使用されていました。2002年4月1日以降、改正された測量法に基づき、基本測量や公共測量では世界測地系を用いることが義務化されています。

日本測地系から世界測地系への変換は、国土地理院の Web版 TKY2JGD Ver.1.3.80 (Web版TKY2JGD)の方が一括変換ができて便利ですが、CGI Perl を忘れないように作成してみました。

トップページにリンクしましたので、ご自由にお使いください。なお、国土地理院のAPIを利用していますので、10秒間に3回しか使用できません。

農業用マシンガイダンスシステム開発開始

AI時代だからこそ、肉体労働に夢を持てる社会を

AIの進歩は、私たちの暮らしを大きく変え始めています。
今後は一部の高度な技術者がAIを駆使して高い付加価値を生み出す一方、多くの人はAIでは代替できない細かな手作業や肉体労働に従事する割合が増えていくかもしれません。

もちろん、体を動かす仕事が好きな人もいます。
しかし、そうではない人にとっては、「生活のために仕方なく働く」という毎日になってしまう可能性があります。
私は、そんな社会にはしたくありません。

たとえ肉体労働であっても、自分で考え、工夫し、技術を活かしながら働ける環境であれば、人は夢や希望を持って生きられるはずです。

そこで、この老人が一つ考えました。

私の住む鹿児島県姶良市は、農業が身近な地域です。
しかし、多くの地域と同じように、高齢化や後継者不足という課題を抱えています。

私はこれまでAIを活用してさまざまなソフトウェアを開発してきました。
その経験を農業に生かせないだろうかと考えた結果、まず取り組もうとしているのが農業用マシンガイダンスシステムの開発です。
最初はトラクターの走行を支援するガイダンスシステムですが、将来的には自動運転へと発展させたいと考えています。

しかし、私が本当に作りたいのはソフトウェアではありません。

AI、GNSS、プログラミング、電子工作などの技術を活用しながら、農業という現場で新しい価値を生み出せる環境です。

農業に興味があり、「AIを使って何か新しいことに挑戦したい」と考える若い人たちにとって、これほど面白い分野はないと思います。
マシンガイダンスだけでなく、ハウス栽培、環境制御、収穫支援、データ分析など、AIが活躍できる場面は数え切れないほどあります。

もし姶良市から、このような取り組みが生まれ、「農業×AI」のまちとして全国に知られるようになればどうでしょう。
新しいことに挑戦したい若者が集まり、地域に活気が生まれ、高齢化が進む農業にも新しい風が吹くかもしれません。

私は、その最初の一歩として農業用マシンガイダンスを作ろうとしています。
一人の開発から始まる小さな挑戦が、やがて地域を変え、日本の農業を少しでも明るい方向へ変えるきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。


基準機だけがNTRIP経由でFixを取り、移動機は基準機からUART経由で直接補正データを受け取って、基準機に対する相対位置(cm級)を測位する方式です。この場合、NTRIP設定は1つで済みます(移動機はNTRIPを使わない)。ただし移動機からの出力形式がGGAではなくUBX-NAV-RELPOSNED(相対位置+方位が直接出力される)になる。

AIは、人から仕事を奪うための技術ではない。
人が肉体を動かしながらも頭を使い、学び、工夫し、夢を持って働ける社会をつくるための技術である。

私はその第一歩として、農業用マシンガイダンスの開発に挑戦します。

ちょっと一息 未来の農業の想像図

ChatGPTさんと会話しながら、素晴らしい画像を作ってもらいました。

広大な平野一面に、台風や豪雨にも耐える強靭な温室群が何十キロにもわたって並びます。
屋根は全面が高効率太陽光パネルで覆われ、昼間に発電した電力で夜間はLED栽培を行います。

温室内部ではAIが温度・湿度・CO?濃度・養液を自動制御し、ドローンやロボットが巡回して生育状況を監視します。
人は管理センターから遠隔で運営し、天候や季節に左右されず年間を通じて安定生産が可能です。

もし日本の農業の半分以上がスマート農業化された未来を描くなら、

九州・北海道・東北の平野部に巨大温室クラスター
温室屋根は太陽光発電所を兼ねる
内部はLEDによる多段栽培
自動走行ロボットとドローンが24時間稼働
農業用水は循環利用
AI統合管制センターが全国の農場を管理

という「農業版の半導体工場」のような風景になるでしょう。

想像すると、鹿児島から見れば霧島連山や桜島を背景に、地平線まで続く銀色の温室群と太陽光パネルが輝き、その中を自律飛行ドローンが行き交う、まさに次世代の食料生産基地という景観になります。

1年半ぶりに講演

されば先週の金曜日(2026年5月22日)、薩摩の鹿児島なる地にて、株式会社建設技術コンサルタンツという立派な屋敷において、GNSSと申す現代の星測りの術について講義仕り候。
しかしながらそのGNSSの儀は、ほどほどに適当に流し置き(正直、皆も聞きたがっておらなんだゆえ)、出来立てほやほやの熱々リットー受信機と、これまた蒸したての我が自家製アプリを、まるで新作スイーツのごとく自慢げに並べ立て申した。
一年半ぶりの講壇に上がったゆえ、老骨はすっかり電池切れ、腰は「もう勘弁してくれ」と悲鳴を上げ、肩は凝り固まってGPS補正が必要な有様でござった。
されど幸い、かつての教え子どもが数名、顔を揃えておった故、心のWi-Fiが急にフルバーになり、Zoom疲れなど微塵も感じず、まるで江戸の書斎で星を眺めつつ地図を描くがごとき、至福の時間となり申した。
教え子というものは、まことに老いたる測量家の「パワーサプライ」なり。
現代の若者ども、ありがたやありがたや。