アプリ開発の経緯

昨年の4月から、Androidで「CLAS」と「RTK」という高精度測位のアプリを開発してきました。興味がない方には「何をやってるんだろう?」と思われるかもしれませんが、簡単にご説明します!

CLASとは?
「CLAS」は、日本の測地衛星「みちびき」が送る補正情報を使って、衛星からの位置情報をより正確にする技術です。
例えば、普通のGNSS(アメリカのGPSや日本のQZSSなど)だけでは、位置が数メートルずれることがあります。でも、CLAS対応の受信機を使うと、誤差が数センチまで小さくなります!これには、u-blox社の「F9P」という受信機と「D9C」という補正情報を受け取る装置が必要です。

RTKとは?
一方、「RTK」という技術では、さらに高精度な測位が可能です。
これには、基準となる固定局(基準局)が必要で、基準局が受け取った衛星情報をもとに補正データを作り、それを移動局にネット回線を通じて送信します。この補正データを使うことで、測量レベルの精度が得られます。ただし、基準局が近くに必要だったり、ネット回線が必要だったりします。

アプリの特徴
私の開発したアプリは、この「CLAS」と「RTK」の両方に対応しています。特に、RTKのアプリはWindows向けの「RTKLIB」という有名なアプリがあるのですが、Android向けにはまだ少なく、あえて挑戦しました!
開発中には、基準局と移動局を連携させる部分で数日間悩むこともありましたが、無事に完成。現在では、docomoやSoftBankの基準局にも対応できています。

今後も、受信機や技術の進化に合わせて改良を続けていきます。興味がある方はぜひ試してみてください!応援よろしくお願いします😊

RTK アプリを更新しました

Fix が切れたとき、自動復帰するように改良 KabutoMLRTK、KabutoUBRTK
NTT SoftBank のマウンのポイントに対応 KabutoMLRTK、KabutoUBRTK
XYH 1秒ごとの平面直角座標を出力するアプリを開発 KabutoMLRKJ、KabutoUBRKJ

RTK をご使用になられない方は更新不要です。

テスト観測しました

鹿児島は昨日ほどは寒くありません。

RTKアプリのテスト観測のために、車載型の受信機 MGLR-9PC/Ri-MLBT を担いで、団地を1周してきました。運動になります。

マウントポイントは、docomoとSoftBankのトライアルマウントポイントです。
全周にわたりFixしっぱなしは生まれて初めて \(^o^)/

さすが、docomo、SoftBank、受信機メーカー リットー、そしてマイアプリ !(^^)!

KabutoUBRTK を更新しました

USB接続RTKアプリ KabutoUBRTK が NTT のマウントポイントに対応しました。
CLASで受信機をご購入のユーザー様は、アプリを無料でお使いになれます。
9番か10番をインストールしてください。
USB を使わない方はインストール不要です。

docomo IoT 高精度 GNSS 位置情報サービスに対応しました

大晦日~元旦まで、孫と猫に遊ばれました(;^ω^)
それ以外は、焼酎を飲みながらパソコンと遊んでました。
そして、ついに、
「docomo IoT 高精度 GNSS 位置情報サービス」を使えるようになりました \(^o^)/

docomo のマウントポイントは、次の2つのタイプがあります。

1.サーバー側で移動局の位置に基づき、最寄りの基準点を自動で選択するマウントポイント
2.移動局から受信したい基準点を指定するマウントポイント

2.はそのままでつながりましたが、1.がなかなか難しいでした。
移動局からサーバーへ移動局の概略位置を送信する必要があり、その微妙なタイミング合わせに苦労しました。
終わってみれば、なぁ~んだ、ですが、おそらく200回以上はテストしたと思います。

ということで、このプログラムは「KabutoMRN」と名付けました。
docomo 基準局だけでなく、これまでの基準局も使えるようにしましたので、KabutoMLRTK、KabutoUBRTK の名前をそのまま使います。KabutoSLRTK はdocomo 基準局には対応していません。

一応、オリジナル受信機 Gogh、リットーのMGLR-9PC/Ri、MGLR-9PC/Ri-AO、MGLR-9PC/Ri-MLBT で動作します。
よろしくお願いします。

RTK アプリに[再接続]ボタンを付けました

RTK アプリの不具合か、Fix しにくい場所なのか分かりませんが、Fix が切れたまま、なかなか 復帰しない場合があります。
これまでは、アプリを再起動していましたが、パラメータファイルの読み込みやアンテナ高など入力するのは面倒なので、[再接続]ボタンを付けました。
便利になりました。

RTK 基準局の設定

RTK基準局の調子がおかしかったので、ラズベリーパイ4を外し、使わなくなったWin10 タブレットに取り替えました。
Win パソコンは更新があるとサーバーが止まるので、更新しない設定にしました。

手順は以下の通りです。備忘録として残しておきます。

【受信機 F9P の設定】
(1)u-centerに接続→COMを合わせる
   Baudrateは、230400
(2)View → Configuration View → Msg
NAV-SAT, NAV-PVT, RXM-RAWX, RXM-SFRBX を選択して
   USB にそれぞれチェックを入れる
  (Send ボタンを忘れないように)
(3)NMEA → High precision mode にチェックを入れる
(4)CFG → Save current configuration → Device を全て選択して Send

【RTKLIB(rtklib_b34d) の strsvr.exe を起動する】
(1)Input Serial Port、Bitrate を設定
(2)Output Ntrip Server でサーバーの接続情報を入れる
(3)Output の Conv ボタンをクリックして Conversion from ubx-raw to RTCM 3 にチェック
(4)Message Types に、(https://www.n-survey.com/ を参考にしました) 
1005(10),1019(1),1020(2),1042(2),1044(2),1046(1),1077(1),1087(1),1097(1),1117(1),1127(1),1230(1)
を入れて OK ボタンをクリック
(5)Option ボタンを押して、Station ID にチェックを入れ、 Lat/Lon/Height に、緯度 経度 楕円体高 を入れる
(6)他はそのままにして OK ボタンをクリック
(7)Start ボタンをクリック
(設定完了 RTCM3 配信開始)